スイッチバックの駅が4連続した?奥羽本線板谷峠の当時のその様子は?

今は新幹線車両が軽快に勾配を駆け抜けていく峠超えも、かつては…、



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福島県福島市の福島駅から、東北地方の山間部を縦貫し、山形県・秋田県を経由して青森県青森市の青森駅に至る、全長484.5kmの路線

 

奥羽本線

 

そのうち、福島県の福島駅から山形県の新庄駅までは

 

山形線

 

と呼ばれています。

 

この山形線と呼ばれる区間の、福島県と山形県の県境は

 

板谷峠

 

という、峠越えの難所となっています。

 

今は山形新幹線が軽快に勾配を駆け抜けて行くようになりましたが、新幹線車両が乗り入れる以前は、峠を越える区間ならではの設備が存在しました。

 

それはどんな設備なのか?

 

今回は、かつて板谷峠に存在した峠越えならではの設備の様子を紹介したいと思います。


当時の様子を紹介している画像や資料は、新幹線車両乗り入れのため、今回紹介する設備が廃止となる直前の1990(平成2)年8月に、筆者が板谷峠を訪ねた時に記録したものです。とても貴重なものだと思いますので、そういったところも含めてどうぞお楽しみ下さい。

スイッチバックの駅が4連続した?奥羽本線板谷峠の当時のその様子は?

奥羽本線の福島県と山形県の県境にある、峠越えの難所の板谷峠に存在する、峠を越える区間ならではの設備とは?

 

それは

 

スイッチバック

 

です。

 

※スイッチバックについてはこちらで解説しています。
→スイッチバックの仕組みは?列車が逆方向に動く理由は?

 

上記の記事では、スイッチバックの構造を紹介するために、篠ノ井線の姨捨駅を取り上げています。駅を出た列車が

 

方向転換して引き上げ線に転線して

再度方向転換する

 

という通常の駅では見られないトリッキーな動きをしています。

 

↓↓その様子を収めた動画はこちらです↓↓

山形新幹線が乗り入れる以前の板谷峠には、このスイッチバックが、姨捨駅の様に駅として存在していました。

 

それも

 

赤岩→板谷→峠→大沢の4駅連続

 

で。

 

スイッチバックの構造の駅は、その存在自体が珍しいのに、それが4駅連続とはどんな光景だったのか?

 

これからご覧いただこうと思います。

スイッチバックが甦る!?米沢発福島行き普通426列車の旅

筆者が板谷峠をを訪ねたのは、1990(平成2)年8月21日、乗車した列車は

 

普通426列車
米沢発福島行き
12:19→13:31

 

でした。


EF71電気機関車が牽引する50系客車の2両編成で、ほぼ満員の乗客を乗せて米沢を出発しました。

 

次の駅の関根駅を出発すると住宅地が途切れ、山並みが近付いてきたな、と思うと木立並木しか目に付かない車窓となります。そして(上り列車の場合の)最初のスイッチバック駅、大沢駅で1駅めのスイッチバックを堪能すると、列車は板谷峠目指して上り勾配にアタック。山懐深く進んで行くと、4駅連続スイッチバックの2駅目、峠駅に到着しました。

え?トンネル内で停車??

峠駅が近付き、徐行を開始した列車は、本線上り線の隣のトンネルに進入。そして停車。トンネルのため周りは真っ暗闇で

 

え?トンネル内で停車??ど、どういうこと???

 

と戸惑っていると、進行方向を変えて動き出し、峠駅に到着しました。

峠駅の名物、「峠の力餅」


峠駅のホームは、ご覧のとおり大勢の人出で賑わっていました。そして、ホームからは

 

「ちからーっ、ちからっ、ちからっ、ちからもちいーっ!!」

 

という呼び声が聞こえてきました。その呼び声の正体は…、


こちらの峠駅の名物

 

「峠の力餅」

 

を売る売り子さんの声でした。

 

せっかくなので筆者も買い求め、力餅や峠駅の雰囲気を味わっていると、やがて発車時刻となり、力餅の売り子さんやホームにいる人たちに見送られて峠駅を後にしました。

 

峠駅を出ると、今度は下り勾配になります。相変わらず木立並木しか見えない車窓を眺めていると、4駅連続スイッチバックの3駅目、板谷駅に到着しました。

板谷駅で鉄分補給?



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峠駅が結構趣きのある駅だったので、板谷駅にも同じような事を期待しましたが、思っていたよりも殺風景な駅でした。停車時間が長いのでホームに降りてみた時

 

せっかく板谷峠を超える列車に乗車したのだから、なにか記念になるものが手に入らないか

 

と考えていた時

 

あ、これ、いいかも…

 

ということを思い付きました。そして、車掌さんのところへ行き…、

 

板谷峠を訪ねた記念に欲しいのです

 

と説明して


峠→板谷の車内補充券

 

を発券してもらいました。

 

お値段、180円。

 

お手頃な金額で記念になるものを入手できて内心喜んでいると、その様子を見ていた周りの人たちが

 

あ、なら私も欲しい

 

と、何人か同じように買い求めていました。

 

また、板谷駅での停車時間中に、本線を特急つばさ12号が追い抜いて行きました。

 

ホームから特急つばさが駆け抜けていくところを見ていると、列車が傾いているのが分かり

 

勾配が急だということ

 

を改めて感じました。

赤岩駅はひと足先にスイッチバック廃止

やがて発車時刻となり、特急つばさの後を追うように発車。相変わらず木立並木しか見えない車窓を眺めていると、4駅連続スイッチバック最後の4駅目、赤岩駅に到着しました。

 

と言っても、赤岩駅のスイッチバックは、1990(平成2)年3月で廃止となり、ホームは本線上に設けられていました。なので、筆者が板谷峠を訪ねた時は、正確にはスイッチバック駅の4連続ではありませんでした。

 

しかし、本線上に設けられた駅に停車すると、それまで使用されていた駅舎や線路を見ることができ、本線上のホームに停車すると、その勾配が急なことが感じられるくらい列車が傾いているのが分かりました。

そして福島駅へ

4駅連続スイッチバック最後の4駅目、赤岩駅を出発した426列車。車窓は相変わらず木立並木しか見えません。いくら山奥の峠越えとはいえ、人の営みの気配が感じられない風景に不安を感じ始めた時、急に視界が開け、遠方に街並みが現れました。風景の突然の変化に戸惑っていると、福島からの区間列車の設定がある庭坂駅、そして次の笹木野駅と各駅に停車し、終点の福島駅に到着しました。

まとめ

スイッチバックの駅が4連続した奥羽本線板谷峠の当時のその様子

赤岩→板谷→峠→大沢

とスイッチバックの駅が4連続

普通列車はEF71電気機関車が牽引する50系客車の2両編成

峠駅は引き上げ線がトンネルとなっている

峠駅の名物は

「峠の力餅」

板谷駅から本線を走る列車を眺めると、勾配が急なことが分かるくらい列車が傾いている

おわりに-板谷峠の4連続スイッチバック駅のその後

今回は、奥羽本線の福島・山形県境にある、今は新幹線車両が勾配を軽快に駆け抜けていくものの、かつては難所だった板谷峠に存在した4連続スイッチバック駅の様子を紹介しました。スイッチバック構造の駅自体が珍しい上に、それが4駅連続した、というのが板谷峠の醍醐味でした。

 

その後の板谷峠はどうなっていったのか、というと、山形新幹線乗り入れのため、改軌(新幹線と在来線は線路幅が違うため、線路幅を変える工事)が行われ、赤岩駅のスイッチバックは1990(平成2)年3月10日、板谷、峠、大沢駅のスイッチバックは、同年9月1日で廃止となり、板谷峠からスイッチバックは姿を消しました。そして、1992(平成4)年7月1日から山形新幹線の直通運転が始まりました。

 

板谷峠はスイッチバックの駅が4連続したように、峠越えの難所です。それは今も変わらず、新幹線は勾配を軽快に駆け抜けていきますが、冬季は降雪による遅延や運休が発生します。

 

さらに。

 

スイッチバックの廃止がひと足早かった赤岩駅は、周辺の集落の無人化や衰退のため利用者が皆無となり、駅は存在するものの2016(平成28)年12月1日からは列車が停車しなくなりました。

 

最後に。

 

今回紹介した経路で、スイッチバックでの列車の動きが分かる動画があります。駅に乗り入れる時の複雑な動きをご覧下さい。

 

今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

 

ではまた。


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